一般社団法人 日本リウマチ学会

〒105-0013
東京都港区浜松町2-9-6
浜松町エムプレスビル3階
TEL:03-6435-9761
FAX:03-6435-9762
E-mail:gakkaih@ryumachi-jp.com Facebook X

JCR2025サポート準備室

株式会社コングレ内
〒103-8276
東京都中央区日本橋3-10-5
オンワードパークビルディング
TEL:03-3510-3701
FAX:03-3510-3702
E-mail:support@jcr2025.com X

会長挨拶

第69回日本リウマチ学会総会・学術集会

会長 川上 純

長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 先進予防医学共同専攻
リウマチ・膠原病内科学分野 教授

川上 純

第69回日本リウマチ学会総会・学術集会を2025年4月24日から26日の3日間福岡国際会議場・福岡サンパレスホテル・福岡国際センターで開催させていただきます。1957年から連綿と続く長い伝統を誇る学術集会を担当させて頂くことを、大変光栄に存じます。

皆様も実感されていると思いますが、医学研究の進歩は目覚ましく、また、研究のための研究に陥ることなく患者さんのための研究を推進する、実臨床応用を目指す最先端の医学研究の方向性が重要視されています。確かにこの領域の書籍やシンポジウム講演から得られる情報は“目から鱗”であり、未来の医療を駆動する要因として、生命分子計測技術(scRNA-seqや次世代シーケンサなど)とDX(情報技術)の革命的発展がKey playerであることがよくわかります。私の世代が慣れ親しんだ“仮説駆動型医学研究”と、ビッグデータ・AIを基盤とする、“データ駆動型医学研究”を、“研究のステージに応じて使い分ける”ことが、Cutting edgeに迫る道筋のようです。先生がたが日々、患者さんを診療することで得られる医療リアルワールドデータ(電子カルテ情報やレセプト情報など)も統合ビッグデータとなります。ともすれば、得られた知識はすぐに古くなると考えがちですが、臨床でも研究でも大切なのは、“如何にして適切な問いを考えるか”であります。すなわち、トレーニングなどで学んだ知識や技術はどのようなものでもすぐに古くなりますが、筋道を立てて考え、また、良い問いを投げかける能力は決して古くはなりません。

科学の樹を育むのは社会であり、社会の信頼と合意のもとに医学・医療の進歩があります。しかしながら医学・医療を取り巻く社会環境も、この4月から始まる医師の働き方改革とそれに関連するタスクシフトを控え、大きな変革期にあると言えます。医学分野も細分化・専門化が進んでいます。リウマチ学会は膠原病・リウマチ学と言うサブスペシャルティ領域に分類されますが、膠原病・リウマチ学は内科、整形外科、小児科など複数の基本領域が集うサブスペシャルティ領域連携のプラットフォームにもなり得ます。ともすれば自らの専門領域に閉じこもりがちになりますが、リウマチ学会はサブスペシャルティ領域横断的な人材育成とネットワーク形成、ひいては若手人材の可視化・次世代リーダーの育成や国際化にも大きく貢献出来ます。

膠原病・リウマチ学は、目覚ましい分子標的薬の導入や生命分子計測技術と情報技術の進展などが相まって、それらが精密医療を目指すトランスレーショナル・リバーストランスレーショナル研究に繋がり、成果が診療ガイドライン・アルゴリズムに反映され、膠原病・リウマチ学の目覚ましい進展が、実臨床に落とし込まれています。すなわち、分子標的治療の成功とそれを裏付ける精緻な分子生物学や情報解析学の目覚ましい発展から、私たちは、“膠原病・リウマチ性疾患の成り立ち”を描けるようになりつつあります。この恩恵を患者さんに正確に届けるには、精密医療研究をさらに加速しながら、長期安全性や経済性なども加味した、真のアンメット・ニーズの解決が求められます。第69回日本リウマチ学会総会・学術集会では、現在から未来へのリウマチ学の明るい予想図を、みなさんと一緒に、考えたいと思います。

最後になりますが、日本リウマチ学会各委員会のご指導とご協力をいただきながら、皆様と全員で創り上げ、かつ、盛り上げる、総会・学術集会になるように、最大限に尽力する所存です。本学術集会が実り多きものとなりますよう、何卒、お力添えをどうぞよろしくお願い申しあげます。

ページトップ